なか日記

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『Agile Japan 2015 サテライト<愛媛>「自分につなげるアジャイル」』に参加してきた

愛媛(松山市)で開催されたAgile Japan 2015 サテライトに参加してきました。

Agile Japan 2015 サテライト<愛媛>「自分につなげるアジャイル」

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Agile Japanとは?

東京で開催されるアジャイル開発のイベントで、今年は全国11箇所でサテライト開催されました。

基調講演1 アジャイル・テスティング 〜 チーム全体のためにテストとテスターができることを学ぶ旅

概要は公式サイト見て下さい。

実践アジャイルテスト テスターとアジャイルチームのための実践ガイド (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)

実践アジャイルテスト テスターとアジャイルチームのための実践ガイド (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)

実践アジャイルテストを書かれた Janet Gregory さんのセッション。セッションは英語で行われ、チェンジビジョンの平鍋さんが逐次翻訳する感じで進められました。

英語を聞いて、「ふむふむ」ってできれば良かったのですが、残念ながら全くわからなかった…

内容はというと、世界規模の分散開発(24時間体制)において、どのように相互理解を深めるかという内容でした。世界規模となると、言語はもちろん、習慣や歴史も違ってきます。その中で、気持ちよく仕事をするために何に注意し、心がけるか。

自分のメモから以下に箇条書きにしておきます。

  • 意志決定や計画づくりの会議、議事録など全員にオープンであること
  • ミーティングなど全員に均等な機会を与える(ヘッドセットで参加できるとか)こと
  • コミュニケーションツールをしっかりと使い分け、あたかもその人がそこにいるような環境を作ること
  • 人や国によって、DONEの定義が異なるので共通の定義を作ること
  • 認識の違いを明確にし、統一するために絵を描くこと

最後に、自分が適応していく(どうやればお互いを理解できるか考える)ことが大事という話をされていました。

今の自分には世界を相手にした分散開発に縁はありませんが、話されていたことは国内の分散開発はもちろん、1箇所での開発時にも通じるものなので改めて意識していこうと思います。

基調講演2 デジタル革命には アジャイルがよく似合う

概要は公式サイト見て下さい。

東京海上日動システムズ株式会社で顧問をされている、横塚 裕志さんのセッション。

第四次産業革命*1によって、全ての産業の本業が揺らぎ、競争の軸が精度からスピードに変わるという話から始まりました。

「産業の本業が揺らぐ」とは、富士フイルムを例に出されていましたが、デジタル化によってフィルムが売れなくなり、その結果、新しく化粧品や医療の分野に進出することになりました。こういったことが今後どの産業でも発生するだろうということです。

いろいろお話がありましたが、これから必要な4つの視点という話がありました。

  • Customer Centric(顧客中心)
    • お客様側の視点
    • メソッドを持っていないと無理
    • Design Thinking
  • Collaboration(対話)
    • プロトタイピング
    • 一緒に作る
  • Visible(見える)
    • 目に見えれば工夫できる
  • Iterative(反復)
    • フィードバックを受けて、継続して改善する
    • 自分たちが良いと思ったものが、お客様にとって良いものとは限らない
    • お客様に教えて貰う

お客様視点に立って考えることができても、それを実現できるメソッド(手段、技術)を持ってないと意味がないという話はうんうんと思いながら聞いていました。

また、お客様視点に立つといっても、お客様との関わりをしっかりと持っておかないと、結局自分たちが良いと思ったものを提供してしまう可能性がある。そのためには日頃からお客様と会話して、業務であったり課題を共有しておかないとその視点には立てないなと感じました。

昼休み

愛媛大学内のお店で食事をしました。平日だったのに加えて、ちょうどお昼休みと被っていたので大勢の学生さんの中を突き進む感じになりました。

サークルや部活の勧誘の時期だったので、大勢の学生さんが新入生に声を掛けていましたので、ちょっと期待していましたがさすがにOSSANだとばれていたようです。。。

お昼からは愛媛サテライト独自の企画になります。

「アジャイルに取り組んでみえた気づきと課題」

HBソフトスタジオ 影浦 義丈さんのセッション。

個人的に地元愛媛でどのようにアジャイルを取り入れた事業をされているのか、非常に興味がありました。

アジャイルに取り組むきっかけですが、以前は下請けの仕事を7割ほどされていたそうですが、やることが決まってるので「やっていて楽しくない、自分たちじゃなくても良いよね」という風に考える様になり、自分たちにしかできないことをやりたいという風に変わってきたそうです。その時ちょうどソニックガーデンの倉貫さんとの出会いがあり、アジャイル開発を取り入れてみようという事になったとお話しになっていました。

倉貫さんとの出会いも偶然というわけではなく、倉貫さんが福岡に行かれるという情報をキャッチし、倉貫さんに連絡し、合流・同行させて貰ったということで、そのフットワークの良さというか、熱意というか見習うというとおかしいですが、自分もそうありたいと思いました。

さて、アジャイルを取り入れた結果ですが、失敗の連続だったようです。でも、失敗から学び、こまめに改善していくのがアジャイルの本質だと思うので全然問題ない気がします。

その中でもうまくいった事例として、「月額定額の受託開発」を題材に話をして頂きました。[ソニックガーデン]さん(http://www.sonicgarden.jp/)の「納品のない受託開発」をHBソフトスタジオさん流にアレンジした感じでしょうか。

「納品のない受託開発」の話を何度か聞いていたのでやり方についてはとてもよく理解できました。

良かったこととして、一人の担当者が直接お客様と会話し、やることを決め、実装・リリースし、フィードバックを貰うので楽しそうに仕事をしているというのが印象的でした。確かに、成果(お客さんの反応)が目に見えるというのは良いですよね。

その他、導入当初は従来の癖でついつい作業をやり過ぎてしんどい思いをした(お客様からの対価とリリースする価値のバランスを取るのに時間がかかった)という話や、最大の価値を提供するために「なぜ必要なのか」を考える様になったといった話など聞くことができ、自分もやってみたいなぁという気になりました。

最後の質疑応答で、月額定額だけど、それは1単位が定額なのであって、ある月にたくさん機能が欲しいという事になれば2単位にするなど、その月々で柔軟にやっているというのは目から鱗でした。「月額定額=毎月一定額しか貰わない」という固定観念があったので、頭が固いなぁと。

「アジャイルなリモートワークをどう実現するか - リモートワーク実践者と推進者の座談会 -」

◆話し手
 岩井 克之さん 合同会社ネクストコード
 團 洋一さん  Sansan株式会社
 早瀬 潤也さん フリーランス
◆聞き手
 懸田 剛さん  合同会社カルチャーワークス

リモートワークを実践されているお三方による座談会。実践している人ならではの話が聞けました。

相手の時間に合わせてたら20時間勤務してたとか、リモートワークで感じるぼっち感とか。

一番印象的だったのは、岩井さんが「在宅勤務は考えてない」と話されてたこと。理由は、組織としての一体感が持てないという理由もありましたが、他の人の作業を見て得られるはずの知識が得られないというのにはハッとさせられました。隣で作業しているからこそ、見たことないツールを使ってるのを見て「何それ?」って聞くことができたり、効率的な作業方法を盗んだり、お互いに切磋琢磨できるという事でした。

確かに、リモートだと結果しか見えないので、その結果をどうやって出したのかという過程を見ることができません。つまり、リモートワークができるのは、「ある程度の力があり、自分自身で効率を上げる為の試行錯誤や勉強を継続して行える人」といえるのかも。そして、会社組織として見たときにはその人の「成長スピードが鈍化するかも知れない」というリスク(効率の悪さ)があるような気がしました。これはリモートワークだけにしてしまうという前提の話であって、例えば週の何日かはリモートで、それ以外は会社でという働き方ができれば問題ないかなぁ*2など考えながら聞いていました。

最後に、お三方からのリモートワークを始めたい人に送る3つのアドバイス(3つ×3人)を書いておきます。

  • リモートワークに関する情報収集をしておく(書籍、Web、話を聞く等)
  • 段階的に取り入れてみる(一部在宅とか、副業としてやってみるとか)
  • 改善していく姿勢が大事
  • 会社全体としてリモートワークに対する慣れが必要(リモートワーカーを意識した業務ができるか)
  • 理解のある人を1人味方につけておく
  • リモートワークにこだわらない(必要があれば出社する)
  • コアタイムを決める(働き過ぎ防止)
  • 連絡(コミュニケーション)を密にとる
  • 問題があればすぐに共有する

座談会の内容については後日、Agile459にマインドマップがアップされると思います。

「もっと身近にスクラムを!」

◆ファシリテーター
 上田 和亨さん

紙ヒコーキを使ったワークショップを行いました。聞いたことはありましたが、実際にやってみたのは初めてでした。

一言でいうと、5人1チームで3m飛ぶ紙ヒコーキを何個作れるかに挑戦します*3

4スプリント行いましたが、全員で良かったところ、悪かったところ、次にどうするかを話し合いました。あまり意識してませんでしたが、自然とKPTできてましたね。

うちのチームは1人がハサミ係、残り4人が2人のペアを作って紙ヒコーキを折ったのですが、ペア間でヒコーキの作り方が異なっていました。結果、片方のペアが作ったヒコーキは全く飛んでいませんでした。しかし、「飛ばすこと」、「いくつ飛んだか」にしか注意がいっておらず、「飛んだ飛行機」を分析できていませんでした。また、チーム内で「どんな飛行機を折るか」という意思統一ができていなかった。

学びの多かったワークショップでしたが、全員で意見を出し合い、課題を共有し、ゴールを共有することの大切さを実感しました。

懇親会

少し場所を移動して勝山町の「炉」というお店で懇親会を行いました。

tabelog.com

いろんな話をしましたが、「楽しかったです!」

走る事に関してとか、日頃の悩みとか、楽しいこととか、そんなことをざっくばらんに話せる仲間がいるのってやっぱり良いですね。

それと、徳島から来られていた團 洋一さんにTwitter上で認識してもらってたのが嬉しかったですね。「もっと危ない感じの人かと思ってました」って言われてましたが(笑)

最後に

それにしても、やっぱり定期的に社外のエンジニアと交流するのって大事ですね。自分がいる位置を知ることで、自分もがんばらなきゃとか、もっと楽しまなきゃとか、いろいろと良い刺激を貰えるし。貰うだけじゃなくて、与える方にも回りたいですけどね。

企画、運営されたAgile459のメンバーの皆さん、お疲れさまでした。楽しく、有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございます!

※1時間くらいでサクッと書いちゃおうと思ってたのに、3時間かかった…

4月19日追記

座談会のマインドマップが公開されていたので載せておきます。

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*1:デジタルビジネス革命という言い方もされてた気がする。こっちの方が個人的にはしっくりくるかな。

*2:もちろん、遠隔地で社員を雇うなら難しいけど

*3:細かいルールは割愛します。詳細は次のブログを見てみて下さい。エンジニアなら紙ヒコーキを飛ばして制約を体験しよう - 室長のひとりごち